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PRESS RELEASE

2021.11.04

AI健康アプリを活用した成果連動型保健指導の実証実験を開始

厚生労働省の公募事業に採択
特定保健指導対象者の減少と、将来医療費のコスト削減目指す

株式会社リンクアンドコミュニケーション(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渡辺 敏成、以下 当社)が参画する成果連動型民間委託方式(PFS)※1による「オンライン生活習慣改善プログラム事業(以下「当事業」)」は、厚生労働省の令和3年度「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業」に採択されました。
当事業はイノアック健康保険組合、出光興産健康保険組合等との共同事業として実施します。
適切な情報提供と、ICTを活用したオンラインでの生活習慣改善プログラムの提供により、翌年の特定保健指導対象者数を減少させることを目的としています。
当社は、AI健康アプリ「カロママ プラス※2」を活用し、ウォーキングイベントの実施やチャット相談機能などを提供します。
 
特定保健指導対象者減少に向けた、オンライン生活習慣改善プログラム事業
令和3年度高齢者医療運営円滑化等補助金における「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業」の実施に係る公募について(厚生労働省)
 
※1)成果連動型民間委託契約方式(PFS:Pay For Success)とは
我が国の行財政事情は、少子高齢化、人口減少の進行に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しさを増しています。そのため、最小の費用で最大の効果を得られる方法を確立する必要があり、内閣府は、成果連動型民間委託契約方式を推進しています。
行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費等を支払う方式です。評価の結果や成果指標値の改善状況により民間事業者が受け取る報酬額が変動するため、従来型の委託事業と比較して、より高い成果の創出が期待できると考えられています。
(内閣府、「成果連動型民間委託契約方式共通的ガイドライン」より引用)
 
※2)AI健康アプリ「カロママ プラス」とは
毎日の食事や運動、睡眠などのライフログに、AI管理栄養士がリアルタイムにアドバイスをする健康管理アプリです。企業・健保の従業員や、自治体の市民、スポーツクラブの会員、保険加入者の方を対象に、現在約6,000以上の法人・団体が導入しています。
 

内閣府、「成果連動型民間委託契約方式共通的ガイドライン」より引用

■当社の展望

当社は、健康経営をリードするパイオニアとして、健康経営を実現するプラットフォームとして、AI健康管理アプリ「カロママ プラス」(以下、アプリ)を6,000社以上の企業に提供してきた他、健康経営実践セミナー(人事担当者向け)・セルフケア向上を目的とした健康増進セミナー(従業員向け)も積極的に開催しています。
今後は、アプリを単体でご提供するだけではなく、ポピュレーションからハイリスク、人的指導とAI指導などを組み合わせて、医療費トータルの削減に積極的に取り組むとともに、今回のPFS事業への参加を皮切りに、当社オリジナルプログラムのPFS事業の開拓などにも注力してまいります。

■「特定保健指導対象者減少に向けた、オンライン生活習慣改善プログラム事業」詳細

<背景>
特定保健指導対象者の割合は、健保連の統計データでは、平成21年度20.6%~平成30年度18.5%(平成21年度比▲2.1%)と(性・年齢構成補正前では)大きく変わっていない。
 
<目的>
・特定保健指導により対象外になった者又は40歳前でBMI23以上である者に、適切な情報提供を行うとともに、 6ヶ月のICTを活用したオンライン生活習慣改善プログラムにより、翌年の特定保健指導対象者数を減少させる。
・新型コロナウイルスの感染が拡大している中、従来の人と人が接触する機会がなくても、実行性が担保された保健事業を推進する。
・複数健保組合による共同事業とし、事業規模を大きくすることで、データ精度及び本事業の結果の妥当性と信頼性を高め、事業の効果検証を可能なものとする。
 
<実施内容>
特定保健指導のリピーター削減策(以下、「プログラム①」)及び40歳時の特定保健指導対象者の削減策(以下、「プログラム②」)を、対象者に対して実施する
 
<対象者>
プログラム①:前年度の特定保健指導により、保健指導の対象外になった者(40~75歳)
プログラム②:40歳前かつBMI23以上で、特定保健指導基準に合致した者
 
<実施フロー>
1.参加者の募集
 健保組合から対象者に対し概要説明書を配布し、プログラム参加者を募る
2.オンライン相談の実施
 参加者に対し、健康的な生活の習慣化、離脱を防止するためオンライン相談を実施
3.イベントの実施
 AI健康アプリ「カロママ プラス」(※1)を利用したウォーキング等のイベントを2回実施
4.参加者インセンティブ
 プログラム終了時の身体状況等の評価により、参加者にインセンティブを付与
5.プログラムの効果測定
 当プログラムの参加により、毎年の特定保健指導対象者の割合がどれだけ減少したのかを確認することで、プログラムの効果測定とする
 
<令和3年度の成果指標>
プログラム①、②終了時(令和4年3月)に、以下の項目について評価を行う。
 ・参加者個々のBMIを算出
 ・BMIが25未満または前年度健診のBMI未満の者の割合(X)を算出
  ※当該値を令和4年度の特定保健指導対象者割合とおく
 ・成果指標を、特定保健指導対象者割合の減少率「X-0.5」とする
  ※0.5:代表組合の過去実績による(第三者評価機関による修正あり)
 
<期待されるメリット>
・翌年の特定保健指導対象者を減少することによる保健指導に係る直接的なコストの削減
・将来医療費の削減による間接的なコストの削減