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PRESS RELEASE

2016.06.17

『健康食品迷子』増加中?機能性表示食品制度の開始より1年 7割が健康食品選びに迷っている現状が明らかに

食と健康に関する情報サービスを手がける株式会社リンクアンドコミュニケーション(社長:渡辺敏成、本社:東京都新宿区神楽坂)は、 機能性表示食品制度が導入されてから1年が経過したタイミングにあわせて、消費者が「健康食品(※1)」を有効活用できているのか現状を明らかにするために 全国の20歳以上の男女1,200人を対象にしたインターネット意識調査を実施しました。 

調査結果では、機能性表示食品への理解があまり進んでいない現状が明らかになりました。 さらに、特定保健用食品(通称トクホ)や栄養機能食品も含め複数の健康強調表示(ヘルスクレーム)制度が存在する中、 消費者がこれらの制度に対応した健康食品をどのように選択すればよいのか困惑している状況が浮き彫りになるなど、 多くの人が健康食品の選択や利用方法に迷う「健康食品迷子」になっており、専門家によるアドバイスが求められる状況がうかがわれる結果となりました。 公衆衛生学の専門家である東京大学大学院 医学系研究科 准教授の近藤尚己先生は、「企業の責任において機能性を表示するという機能性表示食品制度が導入されましたが、 消費者が健康食品を適切に選択し、利用するためには、信頼できる専門家による製品評価やそれをわかりやすく伝えるしくみが必要だといえます」とコメントしています。


※1:本調査の「健康食品」には以下を含みます。
①特定保健用食品(通称「トクホ」):消費者庁の許可を受けて、トクホマークがついた健康効果を表示した食品 
②栄養機能食品:国の基準に沿って、栄養成分の機能表示をして販売されている食品
③機能性表示食品:事業者が消費者庁に届け出ることで、商品パッケージに機能性を表示することができる食品(2015年に新設)
④サプリメント類・栄養補助食品:健康食品のうち、錠剤型、カプセル型、又は粉状のもの

1) 7割が機能性表示食品やトクホの違いを説明できない

導入から1年が経過した機能性表示食品制度についての認知を確認するため、機能性表示食品や特定保健用食品、 栄養機能食品といった健康食品の違いの認識について尋ねた質問に関しては、違いを認識していた人は3割にとどまり (「はっきりと違いを認識」4.0%+「ある程度違いを認識していた」26.8%)、過半数(54.3%)の人は「何となく認識しているが、 何が違うか説明できなかった」と回答しました。全く知らなかった人も約15%(「そもそも3種類も知らなかった」3.3%+「全く認識していなかった」11.7%)に上り、 消費者における機能性表示食品を始めとする健康食品への理解があまりなされていない現状が明らかになりました。

 

2) 健康食品選びに7割が「迷う」と回答

さらに「健康食品を選ぶ際に、調べれば調べるほど選択に迷ったことはありますか」という問いに対し、何らかの理由で7割近くの人が迷っていることが分かりました。(「よく迷う」17.1%+「迷ったことがある」51.7%)こうした状況は多くの人が「健康食品迷子」となってしまっていることを意味しており、消費者が健康食品を適切に選択できる仕組み作りが求められているといえます。

 

3) 健康食品を上手に利用できている人はわずか3割
職業・職種によっても違いが!

健康食品を上手に利用できていると思うか聞いたところ、上手に利用できている人は約3割(31.3%)にとどまりました。
これを職業別に見たところ、経営者では5割を超える一方で、パート・アルバイトや契約社員・嘱託の人は3割を切っています。
また、職種別では、クリエイティブ・クリエイター系職種が1位(45.0%)、企画・管理系が2位(42.2%)、公務員が3位(41.9%)だったのに対し、金融系専門職(20.0%)、医療系専門職(28.6%)は低い結果となりました。

 

4) 7割が健康食品をうまく選べておらず、効果の実感もなし

「利用している健康食品について、実際に効果・効能を感じていますか」との問いでは、7割近くの人(「効果・効能をあまり感じていない」59.2%+「効果・効能をまったく感じていない」8.6%)が利用のメリットを実感していませんでした。これに対し「効果・効能を感じている」は32.3%にとどまりました。

 

5) 「困ること」の理由の第1位は「表示内容が難しい」

このように、健康食品の選択や利用がうまくできていない人や効果を実感できていない人が多数に上る現状の背景を調べるため、「健康食品を利用する上で困っていることは何だと考えますか」(複数回答)と聞いたところ、ほぼ3人に1人の割合で「原材料や含有成分などの表示内容が難しい」(32.8%)と回答。以下、「種類や表示、制度が様々にあり、区別や判断がつかない」27.3%、「自分自身に健康食品を選ぶ知識がない」25.9%と、多くの人が食品や栄養、制度に関する知識不足の問題に直面している実態が明らかになりました。

 

6) 知識の有無が健康食品選びに影響

健康食品の選択に知識の有無が影響していることも分かっています。自分にあった健康食品が選べているかを尋ねた質問に対し、「選べていると思う」と回答した人は3割にとどまっています。

さらに「自分にあった健康食品が選べている」と思っている人の中で、健康食品の成分を理解して利用することはないという人は5.5%と非常に少なかったのに対し(「理解して利用することはあまりない」5.5%+「理解して利用することはほぼない」0.0%)、「選べていない」と思っている人の中では46.3%(「理解して利用することはあまりない」40.0%+「理解して利用することはほぼない」6.3%)と半数近くに上っています。

 

7) 専門家のアドバイスを必要だと思う人が7割以上

「健康食品を利用する際に、食や栄養に関する専門家(例えば、管理栄養士など)のアドバイスは、必要だと思いますか」の問いでは、「必要だと思う」72.5%に対し「必要ないと思う」27.5%と、7割以上が専門家のアドバイスを求めていました。

このほか「健康食品」の利用に関する現状も調査しました。以下に概要を掲載します。

●利用頻度
あなたは「健康食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、サプリメント類・栄養補助食品)」をどのくらい利用していますか。あてはまるものを1つお選びください。

●利用金額
あなたが健康食品に毎月支出している金額はいくらですか。あてはまるものを1つお選びください。

●利用している種類
あなたは何種類くらいの健康食品を利用していますか。あてはまるものを1つお選びください。

●健康食品の利用への意欲
あなたは日ごろから健康を意識し、自分の健康によいと思われる「健康食品」は積極的に試してみますか。あてはまるものを1つお選びください。

●健康食品の継続利用
あなたが一つの「健康食品」を利用する際の継続性について教えてください。あてはまるものを1つお選びください。

■調査概要

調査方法:インターネット調査
実施期間:2016年5月16日~5月20日
調査対象:全国20歳以上の男女1,200名(20代200名、30代200名、40代200名、50代200名、60代200名、70代以上200名)